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永井 泰樹*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 本村 新*; 湊 太志; 伊藤 正俊*
Journal of the Physical Society of Japan, 91(4), p.044201_1 - 044201_10, 2022/04
被引用回数:2 パーセンタイル:46.35(Physics, Multidisciplinary)近年、神経内分泌腫瘍を治療するための医療用RIとしてLuが注目されており、加速器施設で重陽子を濃縮Yb試料に照射し、高純度のLuを製造する方法が検討されている。ただし、Yb試料には様々な同位体が微量に含まれており、Lu以外のLu同位体が不純物として生成される。医療用として利用するLuは一定の純度が求められるため、定量的にLuの不純物を評価する手法が求められていた。本研究では、実験値を基に関与する全てのYb()Lu反応の断面積を決定し、粒子輸送計算コードPHITSと組み合わせることで、Yb試料が任意の組成比をもつ場合の各Lu同位体の生成量を推定する新しい手法を開発した。他に、天然組成のYb試料へ25MeV重陽子を照射した実験も行い、本手法の有効性を検証した。また、市販の濃縮Yb試料に照射した条件で計算を行い、重陽子のエネルギーを15MeVとすることで、純度99%以上のLu生成を達成できることを示した。開発した手法は、加速器を用いて高純度の医療用Luを製造する際、必要な濃縮Yb試料の同位体組成を議論する上で重要な役割を果たすものである。
石岡 典子; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 松岡 弘充; 関根 俊明
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1334 - 1337, 2002/08
無担体Re製造技術開発に必要な基礎データとして、W(d,2n)Re,W(d,xn)Re,W(d,p)W反応における反応断面積を34MeVまでスタックフォイル法を用いて測定した。得られた結果をALICEコードによって計算した反応断面積と比較した。W(d,p)W反応以外の励起関数ついては、実験値と理論値でほぼ一致した。
R.M.Lambrecht*; 関根 俊明; H.Vera-Ruiz*
IAEA-TECDOC-1065, p.75 - 85, 1999/02
核医学診断に有用なTcの親核種であるMoを原子炉ではなく、加速器の陽子ビーム照射による製造について検討した結果を報告する。Mo(p,pn)Mo反応の実験的励起関数、及びMo,Tc,Nbを生成する各種核反応の理論的励起関数を用いて、収量と放射化学的純度について考察した。なお、理論的励起関数はALICEコードによった。結果として、陽子ビームによるMo/Tcジェネレータの生産は原子炉の核分裂による生産に比して有利ではないと考えられる。
春日井 好己; 池田 裕二郎; 山本 洋*; 河出 清*
Annals of Nuclear Energy, 23(18), p.1429 - 1444, 1996/00
被引用回数:24 パーセンタイル:86.7(Nuclear Science & Technology)13.3から15.0MeVにおける(n,p)反応の励起関数の系統性を調べ、質量数が18から188までの標的核について、14.0MeVでの断面積および傾きを表す経験式を提案した。式の導出には、原研FNS及び名大グループが系統的に測定したデータを用いた。14.0MeVでの断面積についての本経験式は、過去に提案された標的核の質量数が18から188までを対象とした式の中で最も精度の高い結果を与えた。励起関数の傾きの系統性については本研究が初めての試みである。本研究により励起関数の相対的な傾きが標的核の非対称度、反応のしきい値及びクーロン障壁に依存することが明らかになった。経験式を用いて求めた推定値と測定値を比較すると、70%の測定値が20%の精度で推定値と一致し、推定値は十分な精度であることが示された。
重田 典子; 松岡 弘充; 長 明彦; 小泉 光生; 出雲 三四六; 小林 勝利; 橋本 和幸; 関根 俊明; R.M.Lambrecht*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 205(1), p.85 - 92, 1996/00
被引用回数:46 パーセンタイル:95.16(Chemistry, Analytical)レニウムは、周期律表のマンガン族に位置する元素で、テクネチウムと同様な挙動を生体内で示すと考えられている。その中でもReは、高エネルギー線を放出し(最大エネルギー;1.07MeV)、半減期3.8日と放射免疫治療に適した特性を持っている。これまでのReの製造に関する報告では、原子炉を利用したRe(n,)反応による方法が用いられている。そこで、我々は、放射免疫治療に必要である高い比放射能でReを得るために、原研高崎AVFサイクロトロンを用いて、W(p,n)反応から生成するReの製造技術の開発を行った。また、この反応によるReの反応断面積の測定もあわせて行ったので報告する。
池添 博; 鹿園 直基; 冨田 芳明; 井出野 一実; 杉山 康治; 竹腰 英子*; 立川 敏樹*; 野村 享*
Nuclear Physics A, 456, p.298 - 316, 1986/00
被引用回数:14 パーセンタイル:62.08(Physics, Nuclear)TDHF理論で予言されている融合反応における低角運動量のカットオフを検証するため、O+C及びO+O融合反応で生ずる残留核の生成断面積の励起関数と、残留核の速度分布を測定した。実験結果を統計モデル計算と比較する事によって次の事が判明した。(i)TDHF理論で予言されるような大きな効果は残留核の生成断面積にはみられなかった。(ii)予言されるような現象(その大きさは別にして)の可能性を完全に否定する事はできず、高いエネルギー領域(入射エネルギー≧120MeV)で若干の可能性(但し小さい)を残した。
篠原 伸夫; 臼田 重和; 市川 進一; 鈴木 敏夫; 間柄 正明; 岡下 宏; 吉川 英樹*; 堀口 隆良*; 岩田 洋世*; 柴田 誠一*; et al.
Physical Review C, 34(3), p.909 - 913, 1986/00
被引用回数:12 パーセンタイル:57.57(Physics, Nuclear)同じ複合核Fmを形成するC+PuおよびO+U反応によって生成するアクチノイドの生成を、放射化学的手法を用いて調べた。また計算コードALICEを使って実験値との比較を行った。その結果、Fmは複合核形成後の中性子蒸発反応によって生成することが明らかとなった。Cfは、(heavy-ion、xn)あるいは(heavy-ion2pxn)反応によって、Cm(Am)並びにCmはTransfer反応によって生成するとの知見を得た。さらに、C+PuとO+U反応の違いは、主にクーロン障壁値とターゲット元素の差に起因する。
峰原 英介; 田島 訓; 荒川 和夫
JAERI-M 84-004, 18 Pages, 1984/02
原研タンデム加速器で4年間使用されたSFガスをガスクロマトグラフ法、生物学的毒性試験法、質量分析法を用いて分析した。又、ガス中の油分、酸分、水分を測定した。このガスはガスクロマトグラフ法の分析から約99.8%のSFと約0.2%の空気から成ることが判明した。この空気はガス回収時に貯蔵タンクに蓄積されたものと考えられる。このガスの質量分析からSFの濃度の上限値は8ppmであり、SFが、この分子式で存在するとしてもイオン化効率曲線の分析から極めて微量であることがわかった。ニ十日ネズミを使った毒性試験の結果から毒性物質の上限値はSF換算で1.3ppmでしかない。従ってこのガス中にはSFはほとんど存在しないと考えられる。